<< June 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2011.09.13 Tuesday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

トイレの神様信仰4


今回の記事は、恐くありませんので、
安心して読んで下さい。


厠神は、京都や群馬などでは、

烏枢渋摩(うすしま)、烏枢瑟摩(うすさま)明王

と呼ばれるなど、仏教に関係する神

と見なされていたりもするようですが、

その他、広範囲に渡っては、女神、もしくは、

男女一対の神と考えられる地域も多かったようです。

また、厠神と竈(かまど)神を夫婦と見なす地域も

あったようです。



厠神を、

女神もしくは男女一対の神と見なす信仰の方が、

仏教に関わる神と考える信仰より、

より古い信仰に由来するものと言えるでしょう。



民俗学者の飯島吉晴氏によれば、

「原初的な想像力」においては、

排泄と出産は類似する現象

と考えられていたとのことで、

厠神を女神と見なす際には、

大地母神的な存在が妊娠・出産を

司っているという発想があり、

男女一対の神と見なす際には、

妊娠の前段階=男女の交わりに

関わっているという

発想があったと思われます。



ちなみに、古事記には、

勢夜陀多良比賣(せやたたらひめ)の美しさを見初めた

美和大物主神(みわおおものぬしのかみ)が、丹塗矢

(にぬりや=赤い矢)に化け、このヒメが「かはや」に

入っているときに、かはやの下を流れている溝川から

女陰を突き、ヒメが子を孕む、という話があります。

(この神話のバリエーションは、各地で見られます)。



また、これとは別に、同じく古事記には、

排泄物・豊穣(食物)・女神に関わる神話もあります。

食物を乞うた速須佐之男命(はやすさのおのみこと)に、

大氣津比賣神(おおげつひめのかみ)は、鼻、口、尻から

食材を出し料理して馳走したが、その様子を窺っていた

速須佐之男命から「穢れたものを食べさせた」と激怒され

殺される。女神の死体の、頭部から蚕、目から稲種、

耳から粟、鼻から小豆、女陰から麦、尻から大豆が

それぞれ生えた、というものです。

この話は、排泄物が肥料として利用された古い農業形態を

彷彿させ、上記の、「厠神と竈神は夫婦である」という

信仰のルーツにも繋がっているのではないかと思わせます。



・・・話を戻します。

厠神信仰が存在していた頃、各地では

様々に厠神が祀られましたが、その中に、

人形を作って祀るという習俗もありました。



季節の変わり目などに、

人の身代わりとして人形(ひとがた)を作り、

川に流す、棄てる、焼くなどすることで、

穢れを祓うといった呪いや習俗は

厠神信仰以外でも見られますが、

各地の厠神信仰で見られる人形を使う

儀式としては、以下のようなものがありました。

飯島吉晴氏は、こうした人形を「厠神の神体」と

考えているようです。



・茨城県:6月26日を「チョズバギオン」と呼び、

チョズバ(便所)にうどんを供えると共に、

女の人形も作って供える。


・同茨城県:青と赤の男女の紙人形を作って供える。


・同茨城県:白と赤の紙人形を作って供える。


・群馬県:晦日や正月を境に、

便所神(烏枢瑟摩明王)のお札、女神の絵姿、

女の人形、男女の人形などを祀りなおす。


・同群馬県:正月の御幣で「セッチンヨメゴ」という

男女の神を作って祀る。


・秋田県:女の服を着せた藁の人形や

八橋の土人形を便所に祀る。


・島根県(出雲):トウモロコシの皮と紙で、

男女一対の人形を作って便所に祀る。


また、石川県内では、家を新築する際、

便所の甕を埋める穴に、

・藁人形を埋める

・夫婦の人形2つ作って埋める

・親指大の赤と青の土人形を、水引で結んで埋める

といった習俗があったとのことです。



井之口章次氏によると、

こうした人形などを埋める風習は、

「地荒神をなだめる」陰陽道の作法が

影響しているとのこと。



ところで、

ここで「トイレの怪談」を振り返ってみたいのですが、

1950年代から80年代にかけて日本全国に広まり、

代表して「トイレの花子さん」と呼ばれる主人公は、

「赤いスカートのおかっぱ頭の女の子」。

また、この花子さんのモデルになったとされる、

1879年生まれの「長谷川花子」なる人物は、

「牛乳が嫌いで白系の色も嫌い、赤系と青系の色が好き、

学校では卓球部に所属、花粉症などの情報がある」

とのこと(wikipediaより)。



上述したように、厠神信仰で祀られる

女の人形は、多くは赤い装飾を施され、

男女一対の人形である場合は、男女それぞれ、

白と赤、もしくは、青と赤で彩られました。



1879年生まれの「長谷川花子」のプロフィールである

「牛乳が嫌いで白系の色も嫌い、赤系と青系の色が好き、

学校では卓球部に所属、花粉症などの情報がある」は、

後半は、内容からしても後づけされた逸話である線が

濃厚かと思います。



一方、前半の「牛乳が嫌い」は、

津田塾大学の創始者で、米国留学経験もある

津田梅子(1864年生)も、子どもの頃牛乳嫌いで、

「牛乳が飲めなければ、外国には行けない」と言われ、

牛乳嫌いを克服したというエピソードを彷彿させます。



日本で牛乳が常飲されていくのは、

西洋の食文化が導入され始めた明治以降のことで、

当時の日本人の多くが、牛乳に拒否反応を示した

らしいのですが、そうした背景から言えば、

「長谷川花子」の牛乳嫌いは、

同時代人の特徴として読むことができます。

また、牛乳嫌いが嵩じて「白系の色も嫌い」

になるのも、筋としては頷けます。



そう読んでいく中で、

プロフィールに登場する

「赤系と青系の色が好き」は、

「牛乳嫌い」、「卓球部」、「花粉症」

という情報と比較すると抽象的で、

フィクションであるにせよ、

かなり唐突な感じがしていたのです。



が、これが厠神信仰に由来するものでは

と考えれば、大いに納得できたのでした。



ちなみに、

私の母の小中学校時代

(1950年代から60年代に)には

学校のトイレは未だ水洗式ではなく、

母の年下の親友ヴィヴィアンさん(仮名)の場合

(1960年代から70年代)は、

小学校は非水洗式で、

中学校は水洗式だったとのことです。

そして、「トイレの幽霊」系統の怪談も

やはり存在していたとのことです。



家(人)の守護神、福神としての特徴が薄れ、

恐ろしい祟り神と化した面での厠神信仰と

厠に出没する妖怪信仰が入り混じって

1980年代まで継承されてきた怪談

「トイレの花子さん」。



ところがこの怪談、1990年後半に、

再び新たな転換期を迎えるになるのです。


(続く)



スポンサーサイト

  • 2011.09.13 Tuesday
  • -
  • 10:01
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
興味深い話しありがとうございます。
また訪問させて下さい。
コウイチ 様

コメントを、どうもありがとうございます。

現在、忙しくしておりまして、
なかなかこの続きが書けないのですが、
またご訪問下さると、大変光栄です!

コウイチ 様のブログも、
もう少し落ち着きましたら、
ゆっくり読ませて頂きますね。 (^^)
  • takezo
  • 2011/02/18 1:34 AM
とても興味深く拝読しました。
続き、楽しみにしております。
90年代後半といえば「花子さん」モチーフの
アニメも出ていましたね。
  • ym
  • 2014/10/25 11:40 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

Blog Ranking

ブログランキングに参加して
います。クリックして頂けると、
大変光栄です。

人気ブログランキングへ

靈氣(れいき)

Association Amaori が、
直傳靈氣ヒーリングと
直傳靈氣セミナー前期を
パリ、ブリュッセルで
実施しています。

お問い合わせは、
ayameiris800*gmail.com
までお気軽にどうぞ。
(*を@にして下さい)

profile

selected entries

categories

archives

recent comment

links

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM

PR